私は国際分散投資を実践しているのですが、ご存じのように必ずしも米国中心主義というわけではありません。特にインデックス投資としての米国に関しては現在ほとんど保有していません。
まず、指標面では現在、絶対的に見ても相対的に見ても割安感はありませんし、過去のパフォーマンスでも特にリターンが他国と比べて突出しているわけでもないからです。
再確認のためにも わたしのインデックス 株価指数(インデックス)で国別インデックスのパフォーマンスを調べてみました。一貫性を持たせるために円ベースのMSCI指数で過去30年の年率平均リターンの比較となっています。30年間の実績がないものは除外していますがリターンのランキングをまとめてみるとトツプ10は以下のようになりました。
・一位 デンマーク +11.4%(21.6%)
・二位 スウェーデン +10.0%(27.7%)
・三位 香港 +9.5%(27.9%)
・四位 米国 +9.1%(19.3%)
・五位 スイス +8.7%(19.0%)
・六位 オーストラリア +8.6%(24.6%)
・七位 オランダ +8.5%(21.6%)
・八位 カナダ +7.7%(22.0%)
・九位 ベルギー +7.7%(22.6%)
・十位 ノルウェー +7.5%(28.2%)
()内の数字はリスクなのですが、やはりリターンとしては米国が突出しているわけではありません。これはバートン・マルキール氏、ジェレミー・シーゲル氏の著作でも指摘されていますが、リターンが突出しているわけはなく、リスクとのバランスが優れているというのが実際のところではないでしょうか。
これは新興国を含めてみても同じことだと思われます。はちどうきゅうどうさんのアメリカ株でアーリーリタイアを目指すの記事どの国の株に投資すれば良いか? 国別の株式利回り1900-2012年で実質リターンの記載がありました。第一位は南アフリカ、第二位がオーストラリア、第三位がアメリカという結果になっていて新興国の長期リターンでさえ米国に劣るとは限らないということが実証されています。
やはり米国株はリターンとリスクのバランスが優れているというのが実際のところでリターンが突出しているというわけではありません。もちろんリスクが低いというのは大きな魅力にもなるのでしょうが、積立てのインデックス投資などの場合にはその限りではないとも思われます。
私はこの記事で言いたいのは、だからと言って米国株中心のインデックス投資がいけないというようなことではありません。ただ、リターンが突出しているという事実は特に見当たりませんから過度な期待はしないほうが良いかもしれないということです。
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