2017年12月28日木曜日

投資におけるリスクという言葉の定義がごちゃ混ぜになっている

投資の世界では「リスク」という言葉をよく耳にするのですが、その定義がごちゃ混ぜになっていることも多いように感じています。

一般常識で考えるとダウンサイド・リスク。即ち株価が下落するリスクがリスクの定義の王道だと考える方が多いでしょう。かの、ウォーレン・バフェットも損失を被る可能性をリスクの定義としています。

ただ、バフェットはファイナンス理論の権威たちの中では異端であり、ファイナンス理論ではボラティリティを礎とした上下の変動をリスクの定義の王道としています。

そもそも、リスクの定義が違う場合もあるのですが、その定義の前提を考えずに使われている場合も多いです。

もし、リスクの定義がボラティリティを礎にしているのなら、リスクの高い銘柄は利益を生み出すチャンスが大きいとも考えられます。

100円の株が100円で変わらず推移した場合と、99円に下落したものの150円に上昇した場合。ボラティリティをリスクの定義の礎としたファイナンス理論では150円に上昇した場合の方がリスクが高いと考えます。

1円も儲けていない場合よりも、50円儲けた場合の方がリスクが高いというわけです。

さらに、別の例として100円から150円に上昇して、150円から100円に下落。また、150円に上昇して、100円に下落。このような一定のレンジで株価が動いている銘柄があるとします。

この場合は、100円で株価が一切変動しない銘柄よりは、利益を生み出すチャンスも大きいとも言える訳ですが、リスクの定義をボラティリティとするならば、このレンジ相場もリスクが高いということになってしまいます。

まあ、よくわからない理屈ではあるのですが、ファイナンス理論ではそのような考え方が王道ですし、それはそれで構いません。

問題はリスクという言葉の定義の前提を考えずに、リスクという言葉を使用している投資家がいるということでしょうか。

これは、リスクという言葉だけではありません。例えばバッフェットの投資手法を真似しようと考えている投資家を見かけることがあります。バッフェットの投資は、ファイナンス理論とは相容れないところが多いのに、ごちゃ混ぜにしている投資家も見かけます。

現代ポートフォリオ論の分散投資の定義を個別株にも当て嵌めて、ごちゃ混ぜにしている投資家。これも、よく見かけます。

投資理論には、それぞれ前提条件があるのですから、その前提条件を変えてしまうと意味をなさないのではないでしょうか?

まあ、別にごちゃ混ぜにするのは個人の自由だと思います。ただ、そのごちゃ混ぜになった理論で、他者にああすべき、こうすべきと断言して投資指南をするのはいかがなものかと感じているわけです。

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